| [157]許容錯乱円径について |
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投稿者:Yu |
投稿日:00/11/06(月) 16:48 |
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こんにちは。
aero-bzさんの投稿を読んでいて、気になったのですが、CCDの許容錯乱円径δは、モノクロカメラと、カラーカメラとで違うのではないのでしょうか?
実は私も、岸川利郎先生の“光学入門”を参考に、画面横幅の1/300を目安に算出していましたが、最近はCCDの高画素化のために、実際と合わないようなので画素寸法を用いるようになりました。
しかし画素寸法が使えるのはモノクロの時だけであり、カラーの時は、カラーフィルターの配置により、δの値が大きくなるのではないのでしょうか?
この考え方は間違っていますか?
もしこれが正しいとき、どのくらいδが大きくなるのでしょうか?
ぜひともご教示戴きたく存じます。
レス: レンズ屋 投稿日: 00/11/07(火) 19:58
1/300というのは、動画を走査線525本の通常のTVモニターで表示した場合の目安だと思います。
静止画を高精細CRTに表示したり紙に印刷する場合は、もっと細かい点まで判別できるでしょう。
許容錯乱円径δは、Yuさんのご指摘のようにCCDの画素ピッチやカラーフィルター配置も影響するでしょうが、それに加えて上記のように出力媒体の種類とその解像力の影響も受けます。
カラーフィルターの配置がどの程度δ(あるいはMTF)に影響を与えるのか、私は知りません。
どなたか情報をお持ちでしたら教えてください。
レス: 村瀬 投稿日: 00/11/08(水) 15:14
最近なぜか、私の得意な分野の質問が多いので嬉しい村瀬です。
>しかし画素寸法が使えるのはモノクロの時だけであり、カラーの時は、
>カラーフィルターの配置により、δの値が大きくなるのではないので
>しょうか?
>この考え方は間違っていますか?
これは難しい(というか答えにくい)質問ですねー。
結論から言うと、現実的にはδの値は大きくならないと思います。
Yuさんの質問は、許容錯乱円径δというよりはCCDに対して必要なレンズの
解像度(もしくはピンぼけ量)はいくつか?という質問だと思います。
これを説明するには、CCD自体のMTFから始まって、CCDから得られた歯抜け
のRGBデータをどうやって完全なデータに戻すのか、さらには人の目の
感度特性がどうなっているのかなど色々な知識が必要です。
到底全部説明できませんので、いきなり核心だけ指摘します。
カラーのCCDを使って、細かい白黒模様、たとえばCCDのピッチの
半分ピッチのストライプ模様(CCDの1画素毎に白、黒、を繰り返すよう
な模様)を撮影したとき、Yuさんはどのような映像がモニターに表示さ
れることを期待しますか?
もしこれが、灰色でいいというなら、δは大きくなります。
しかし、大抵の人はストライプ模様が表示されてほしいと願うはずです。
これは困難な要求なのですが、CCDから出力されたRGBデータを
補完する処理アルゴリズムはこれを目標に作られているようです。
ですので、レンズに要求されるδは白黒CCDと同じになります。
レス: Yu 投稿日: 00/11/08(水) 15:52
レンズ屋さん、村瀬さん、ありがとうございます。
>カラーのCCDを使って、細かい白黒模様…を期待しますか?
私は、ご想像通り、ストライプを期待します。
確かに白黒の像に対しては、δは同じになりますね。
村瀬さんは、ここで“白黒ストライプ”を前提としていますが、“カラーのストライプ”でしたらどうなるのでしょうか?
実は、私は“カラーカメラでは、カラーの映像”としか考えていなかったのです。したがってカラーフィルターの影響があると思っていたのですが…。
以上宜しくお願いします。
レス: 村瀬 投稿日: 00/11/08(水) 16:59
>村瀬さんは、ここで“白黒ストライプ”を前提としていますが、“カラーのストライプ”
>でしたらどうなるのでしょうか?
“白黒ストライプ”と“カラーのストライプ”でδが変化するような妙なレンズは作れ
ないと思いますので、必要なδは白黒ストライプによって決定されるはずです。これは
いいですよね?
さて、Yuさんの疑問は「輝度差がなく色だけが異なるカラーストライプを撮影する場合
に必要なδはいくらか?」ということだと思います。
このときのδは大きくなります。以下、私の考えるCCDデータの補完方法を述べます。
普通のカラーCCDは
RGRG
GBGB
RGRG
GBGB
のように並んでいます。(最近はハニカム状に並んでいるのもあるようです)
このデータからR,G,Bを補完します。Rだけ、Gだけ、Bだけのデータから、抜けている
ところをそれぞれ補完していきます。この時に、解像度が下がります。というか元の
間隔より良くなりません。
出来上がったGデータからRデータを引いたものと、GデータからBデータを引いたもの
が色差信号となります。
輝度データは、R,G,Bのデータに、白色光に対するR,G,B各セルの感度特性を補正した
もをそのまま使用します。つまり、輝度に対する解像度の点では白黒CCDと同じです。
結局、輝度信号と色差信号2つが得られることになります。
輝度信号と色差信号の解像度は異なり、輝度信号の解像度はCCD間隔となり、色差信号
の解像度はR,G,Bの間隔のもっとも大きいもので支配されますので、CCD間隔の2倍に
なります。
ですので、カラーストライプに対しては、δは2倍になります。
質問に対する回答は以上ですが、CCDのRGBデータ復元はいろいろやっかいな問題が
伴います。たとえば、細かい白黒の市松模様を撮影したら、それが偶然、Gのところ
だけ白、R,Bが黒になった場合を想像して下さい。この状態から復元すると緑一色の
データになるはずです。これを避ける効果的な方法はレンズの最小ピント直径を
大きくすることです(つまりわざとレンズの収差を残す)。しかし、これは画像の
シャープネスとのトレードオフになります。
つまり、カラーCCD用のレンズは解像度が良すぎても悪すぎてもいけなくて、ある
最良ポイントというのが存在します。
ピント直径が、CCD間隔の1倍〜2倍のどっかだと思いますが、実際には映し出さ
れた画像が奇麗に見えるところを探すことになるでしょうね。
この辺はレンズ設計者の腕の見せ所ではないでしょうか?
レス: 村瀬 投稿日: 00/11/08(水) 17:01
すみません。改行位置を間違えて、読みにくくなってしまいました。
レス: Yu 投稿日: 00/11/09(木) 09:06
村瀬さん、ありがとうございました。
胸の痞がおりました。
私の説明不足で、ご面倒をおかけしましたことを、お詫びいたします。
そもそも私としては、モノクロとカラーとで、“被写界深度”が違うのか?ということが、事の発端でした。
それを“許容錯乱円径”という用語を用いたために、説明できなかったものと反省しております。
撮影レンズとしては、どちらも必要な解像力は同じになりますよね。同じレンズでも、被写界深度が異なるか?ということを問いたかったのです。
また宜しくお願い致します。
レス: レンズ屋 投稿日: 00/11/11(土) 16:25
再度δの話題に戻ります。
画素ピッチbの固体撮像素子で撮像する場合に、レンズにどこまでの分解能が必要かは大変気になるテーマです。
これについて、「第3・光の鉛筆」(鶴田匡夫著 新技術コミュニケーションズ)の31項に「固体撮像素子と光学結像」という解説があります。その中に以下の記述があります。
1.ピッチbの固体撮像素子のナイキスト周波数は1/2b
2.画像の中にナイキストより高周波成分があるとモアレを生じる
3.点物体の像の拡がりの中に、画素が4〜5個入るように、レンズと撮像素子を組み合わせるのが、いちばん経済的な選択
ご参考まで。
レス: 村瀬 投稿日: 00/11/15(水) 14:56
>3.点物体の像の拡がりの中に、画素が4〜5個入るように、レンズと撮像素子を組み合わせるのが、いちばん経済的な選択
私もモアレの発生とシャープネスのトレードオフから、この程度が妥当なラインだと思います。像の直径にして、画素ピッチの2倍程度でしょうか。
さらに細かいことを言えば、点物体の像の強度分布がガウス分布のような裾が広がった山形をしているのがベストです。ついでに、絞りの値に関係なくこの点像の大きさが一定だとパーフェクトですが、そんなレンズ設計できないですよね?
レス: レンズ屋 投稿日: 00/11/16(木) 11:45
回折限界まで絞れば、点像強度分布は裾が拡がった山形になります。
また、球面収差がある場合も、多くは点像強度分布は裾が拡がった山形になります。
しかし、コマ収差がある場合は、点像強度分布が非対称になります。この場合は経験上大きく画質が劣化するので、コマはよく直せと、我々はレンズ設計の師匠に言われたものでした。
収差は絞ると減少し、回折は絞ると増大しますから、点像直径を絞りの値と独立にするのは難しいです。
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