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タイトル Re: 過去ログによると……
投稿日: 2003/08/02(Sat) 05:14
投稿者Laser

瞳の位置は同じレンズ系でも絞りの位置などを変えれば変化させることが出来ますが、その点がどこに結像するのかということには関与しません。入射瞳の位置はある点から広く放射された光線のうちどの光線部分をレンズに取り込むのかという問題に対する回答であり、

つまり回転により「視差」が生じないということが趣旨であれば瞳位置ではなく「主点位置」でなければなりません。(正確には「節点」であり主点ではありませんが、これは後で述べます)

先のURLに示したような方法で主点位置を確定します。ベンチ上でレンズの主点位置を調べるときには、ノーダルスライド法で知ることも可能です。(下記URLのpdfにやり方が書いてあります)
http://www.city.ac.uk/optics/optics/EX6.pdf

後側主点位置(フィルム側は普通後側になります)については、焦点距離が既知であれば焦点位置からの距離でかまいません。ただ一般には焦点距離はレンズ個体差などが生じることから正確な位置はやはり直接測定することが必要になります。

さて、先ほどレンズの前側主点を中心に回転させればよいと書きましたが、本当は「節点」です。ただ普通レンズ系の前後は空気であり、同じ屈折率であれば主点=節点となるので、通常主点位置といっているだけです。
レンズには基本的な点が6つあります(これをcardinal pointsと言います)。「焦点」(focal point)「主点」(principle point)「節点」(nodal point)が前後に2つずつです。そして、レンズ前後の屈折率が同一の時には「主点」=「節点」になります。
ノーダルスライド法という名前は、この節点をスライドさせて変動しない位置を見つけだすことからそのように名付けられたわけです。
詳しくは、
http://physics.tamuk.edu/~suson/html/4323/thick.html
をご覧下さい。

ご質問の初めに目の話をされていましたが、目の場合はレンズ前後では屈折率が異なりますので(空気−レンズ−水晶体−網膜)節点と主点位置はことなり、節点は水晶体の中にあるため、より眼球の回転中心に近いところにあるようです。そのため眼球だけ回転させても視差が生じるようには見えないのでしょう。
光学的な目のモデルについては以下のpdfが詳しいので参考にして下さい。
http://cfao.ucolick.org/EO/Resources/Learn_optics_AO.pdf

視差にかかわる話では、航空写真やロボットビジョンなどで使われるステレオ画像生成の本を読むと数学的な取り扱い、そしてレンズとの関係について知ることができます。
この3次元空間(ユークリッド空間)から射影空間への変換(これを射影変換と呼ぶ)については、たとえば下記のURLを参照してください。
http://www.mm.media.kyoto-u.ac.jp/research/review/1998/3Dvision/node45.html

厳密な話をすると、三次元の画像を二次元にするので必ずゆがみというものは生じます。ただ一枚の画像の両端が回転させて取った隣の画像と模様が一致するには、上記の主点(正確には節点)で回転させるとお望みのものが得られます。それゆえパノラマ画像でも同じ手法がとられています。精度よく撮るにはひとつひとつの画像の幅を狭くしていけばよいので、専用カメラではそのようになっています。

では。


このページへのリンクは下記URLを利用ください。
http://www.lensya.co.jp/010/index.cgi?no=4187&mode=msgview&oya=4181


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